2021.09.17

就労ビザで、アルバイトする方法

外国人サラリーマンの、正しい副業の持ち方
-業務委託契約にも、資格外活動許可は必要?-

学業修了で、アルバイトも終了

「資格外活動許可」を得た留学生は、一定の条件下のもとアルバイトをすることができます。

※留学生のアルバイト

 

しかし、この「資格外活動許可」でアルバイトしてもよいとされているのは、学生の期間だけです。留学から就労ビザに切り替わると、それまでのアルバイトもできなくなってしまいます。
わずかな期間であっても、許可されていないアルバイトをしてはいけません。卒業後、就職するまでの期間、学生時代のアルバイトを引き続き行うのは危険です。場合によっては、在留資格取消になることもあります。
企業サイドも、知らなかったではすまされません。知識をもって外国人留学生を採用すべきです。外国人雇用の不明点などは、行政書士などの専門家に相談しましょう。

就労ビザで、アルバイトをしてはいけない!?

就労ビザを取得した外国人だから、アルバイトはすべてダメということではありません。
外国人サラリーマンのアルバイトに関しては、大きく分けて3つのパターンが考えられます。

1. してはいけないアルバイト

 

2. 就労ビザとの兼ね合いでOKなバイト

3. 資格外活動の許可を得ればOKなバイト

順番に見ていきましょう。

就労ビザでは不可のバイト

コンビニなどでの接客業、工事現場、引っ越し業者の作業員、ホテルのベッドメーキング、飲食店でのホールスタッフなど、単純作業や肉体労働的なアルバイトはできないと思われます。
これらの業務は、留学生であれば「資格外活動許可」を得ることできていましたが、就労ビザを持っていれば、「資格外活動許可」はおりません。
もちろん、留学生のアルバイトに就くことを禁止されている「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」第2条第1項に規定されているような風俗営業等のお店で働くことはできません。例えばまあじゃん屋、パチンコ屋、スロットマシン屋、ゲームセンターや水商売等のお店で働くことです。接客のみならず、清掃であっても、ダメです。

就労ビザとの兼ね合いでOKなバイト

現在、取得している在留資格に定められている活動と同種であれば、その外国人は本業とは別にアルバイトしてもよいとされています。たとえば、「技術・人文知識・国際業務」ビザを持つSEが、正社員として働く企業以外で、週末、別会社でSEとしてアルバイトすることは問題ありません。

<業務委託契約を結ぶ場合は?>
たまに質問されるのが、外国人サラリーマンが個人事業主としての顔をもつときの対処方法についてです。アルバイトではなく、「業務委託契約」などを締結して所属会社とは別のところから報酬をもらう場合、資格外活動許可は必要なのか?という疑問がわき出てきます。

業務の内容がすでに取得している在留資格の活動内容と同じであれば、基本的に資格外活動許可の取得は必要ありません。ただし、「業務委託契約」という新たな契約を締結するにあたっては、「契約期間に関する届出」を出入国在留管理局に提出するようにします。もちろん、税金面での処理はきちんとしておかねくてはなりません。将来、帰化や永住を申請する段になったとき、書類や税金面のことをおろそかししておくと望む結果は得られなくなってしまいます。

資格外活動の許可を得ればOKなバイト

現在、取得している在留資格において定められていない活動以外のことをする場合、「資格外活動許可」を得なくてはなりません。例えば、「技術・人文知識・国際業務」ビザの活動内容は、「外国人ならでは」で「大学で学んだ専門的な知識や技術を活かしたオフィスワーク」ということになります。この就労ビザを持つ人が、レストランで週末、料理人となる場合、「資格外活動許可」を得る必要があります。コックとして働くには、本来、「技能」の就労ビザが必要だからです。

就労ビザにおける活動内容

在留資格 活動内容の例
外交 外国政府の大使等とその家族
公用 外国政府の職員等とその家族
教授 大学の教授、講師等
芸術 作曲家、画家等
宗教 宣教師等
報道 記者、カメラマン等
高度専門職 高度の専門的な能力を持つ人材
経営・管理 企業の経営者、管理者等
法律・

 

会計業務

弁護士、公認会計士等
医療 意思、司会し、薬剤師、看護師等
研究 研究者等
教育 小、中、高等学校の語学教師等
技術・

 

人文知識・

国際業務

システムエンジニア、デザイナー、通訳、企業の語学教師等
企業内転勤 外国の事業所などからの転勤者等
介護 介護福祉士
興行 歌手、ダンサー、プロスポーツ選手等
技能 コック、職人等

就労ビザで、資格外活動許可を得るには

就労ビザ取得者が資格外活動許可を得るには、いくつかの条件があります。

  • 外国人本人の在留状況に問題がないかどうか。
  • 本来の活動が継続して行われているかどうか。
  • 資格外活動が単純作業でないかどうか。
  • 資格外活動が本来の活動を妨げる程度のものでないことなど

審査期間は2週間~

資格外活動許可の審査期間は2週間から2ヵ月です。許可が下りる前にアルバイトをした場合、不法就労にあたり処罰の対象になります。余裕をもって申請するようにしましょう。

「留学生をアルバイトに雇いたい。手続きがわからない」
「もうすぐ卒業する留学生にこのまま働いてもらいたい。大丈夫?」
「退職したばかり外国人をアルバイトで雇いたい。ビザのことを知りたい」

些細なことでも結構です。心配事、分からないことがあれば、たにぐち行政書士事務所までお気軽にご相談ください。

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