2021.01.28

建設業、一人親方で特定技能は雇えるか?

建設業、一人親方で特定技能を雇える条件


特定技能、建設分野の上乗せ要件

事業所が特定技能外国人を雇うには、さまざまな要件を満たしておかなくてはなりません(詳しくは、コチラを参照「特定技能、企業が受入機関になるための要件」)。14分野ある特定技能の中でも、建設業には次のような“上乗せ要件”が定められています。

1.建設業許可

建設業法第3条の許可を得ていることが第一の要件。何らかの建設業の許可を持っていればよく、特定技能外国人が従事する職種と建設業許可の種類が一致していなくても問題ありません。特定技能の職種と同じ種類の建設業許可をとる必要はありません。

わかりやすくいうと、建設業を営む会社が、5年間、“ある技術”を持った外国人を雇うことができる制度が特定技能ということになります。内装仕上げの事業所が「建築塗装」の特定技能1号の在留資格をもつ外国人を雇うことは全く問題ありません。

建設業許可をもった事業所が受け入れることのできる特定技術は、現時点で次の18種類となっています。

  1. 型枠施工
  2. 鉄筋施工
  3. 屋根ふき
  4. 左官
  5. 内装仕上げ・表装
  6. コンクリート圧送
  7. 建設機械施工
  8. トンネル推進工
  9. 土工
  10. 電気通信
  11. 鉄筋継手
  12. とび
  13. 建築大工
  14. 配管
  15. 建設板金
  16. 保温保冷
  17. 吹付ウレタン断熱
  18. 海洋土木工

2.建設キャリアップシステム登録

建設業を支える優秀な担い手を確保・育成していくため、平成31年4月からスタートした制度です。特定技能外国人及び受入れる企業の両方が登録しなくてはなりません。ただし、建設特定技能受入計画の認定に当たっては、登録手続きが完了している必要はありません。キャリアアップシステムの登録申請を行ったことを証明する書類を添付すればようことになっています。

「建設で特定技能、採用方法は3通りあります」も参考に。

建設キャリアップシステム専用サイト

建設キャリアアップシステム

3.JACへの加入

特定技能外国人の受入れを希望する建設会社等は、建設技能人材機構(JAC)に加入している団体の会員もしくは、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)の賛助会員として加入しておく必要があります。

建設技能人材機構 JAC

4.ハローワークで求人した求人票の提出

職業安定法により、建設業務に就く労働者の有料職業紹介は禁止されています。求人誌や求人サイトによる職業紹介は建設分野では違法のため、ハローワークの求人票以外の代替の提出は認められていません。ハローワークの求人についても、特定技能外国人と「同職種」「同程度の処遇・待遇」であること、求人後すぐに求人を取り下げるような「空求人でない」ことが求められています。

5.月給制であること

特定技能外国人の日本での暮らしを安定させるために、経済的安定は何よりも大切です。そのため、働く日数に応じて報酬が毎月、変動するような日給月給制は認められていません。基本給、毎月固定的に支払われる手当、残業代で構成される「月給制」で雇入れる必要があります。

6.昇給すること

特定技能は技能の熟練に合わせて昇給させる決まりになっています。国土交通省に提出する「建設特定技能受入計画」においても、昇給見込み額や昇給条件等を明記する仕組みなっています。

7.受入枠を超えないこと:受け入れ制限あり

「特定技能」という在留資格は、各事業所の受入人数に制限は設けられていない制度です。ただし「建設」と「介護」分野は例外で、受入制限があります。建設の場合、「特定技能外国人と特定活動で働く外国人建設就労者の人数が所属機関の常勤職員の人数を超えることはできない」ことになっています。一人親方であれば、特定技能外国人を雇えるのか雇えないのか? 基本的には雇用して問題ありません。但し、その場合、一人親方が「常勤」でなければなりません。つまり、建設業を営んでいる経営者が、他の事業を営んでいたり、他からの収入で生活しているような場合は「常勤」とみなされないため特定技能外国人を雇うことはできない可能性が高いです。「常勤」であることを証明できれば、一人親方で他に従業員がいないことや、開業して間もない場合であっても、それだけを理由に特定技能外国人の雇用が許可されないことはありません。

必要な書類、手続き方法、相談先は?

 建設業で特定技能外国人を雇うには、まず国土交通省へ建設特定技能受入計画に申請する必要があります。提出する書類は、基本的に次のようなものが求められています。

一人親方や開業して間もない事業所であれば、実際、そろえるのが困難なものがたくさんあります。例えば、「登記事項証明書」。これは、法務局で会社設立の手続きをしていなければ手に入りません。ではどうするか?「住民票」を提出すればOKです。従業員がいないから賃金台帳もない!?どうすればいいか・・・迷いますね。

また、これらの基本的な書類だけでは特定技能外国人を雇うための手続は終わりません。国土交通省の建設特定技能受入計画申請の次は、地方出入国在留管理局における在留資格の申請手続きもあるからです。本業をこなしながら、これら外国人雇用の手続に振り回されてしまわないよう、プロの力を借りませんか?

また、一人親方や外国人を雇用した経験のない事業所の場合、特定技能外国人を雇うにあたっては「登録支援機関」と呼ばれる外部の力を借りる必要も出てきます。では一体、一人の外国人を雇うのにいくらぐらい必要で、仕事にとりかかるまでどれくらいの期間が必要になってくるのか?「具体的なことを知りたい」と思われたら、ぜひ当事務所へご連絡ください。

建設業で働く特定技能外国人は、試験等を経て1号から2号へ移行することができます。特定技能2号は、在留期限に制限がなく、「永住権」を手にすることもできる資格です。しかしその在留資格を本業をこなしながら社長や事務員さんだけの力で得るのは、非常に大変です。

行政書士 たにぐち事務所では、国土交通省や出入国管理局における手続きまで丸投げでお受けいたしております。全国の事業所様からの相談を受け付けています。まずはお気軽にご相談を。

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