2021.02.08

外国人採用の注意点とは?

アルバイト、新卒、転職で異なる面接ポイント


採用していい外国人、採用してはいけない外国人

外国人を採用するうえでの注意点といえば、「ビザ」つまり「在留資格」について知っておくことです。外国人が日本で働く場合、「就労ビザ」とも称される在留資格を有していなければなりません。就労可能な在留資格は19種類あります(詳しくは、コチラ)。身分系在留資格といわれる「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」は、働くことに関して許可は不要です。「文化活動」「短期滞在」「研修」等の6在留資格は就労できません。しかし、「資格外活動許可」を取得すれば一定の条件のもと働くことができる「留学」「家族滞在」「特定活動」の在留資格もあります。

このように在留資格はたくさんあって、慣れていないと、ややこしいですね。でも、就労資格を有していない外国人を雇うと、たとえ入管法を知らなった雇用主であったとしても処罰の対象になってしまいます。言い逃れはできないのです。トラブルに巻き込まれないためにも、外国人面接の各シーンごとに在留資格に留意した注意点を見ていきましょう

留学生をアルバイトで雇う場合

留学生であっても、「資格外活動許可」を得れば働けます。ただし週に28時間以内と決められています。(ただ、夏季休暇などの長期間の場合は1日8時間以内)。気を付けたいのは、週28時間というのは申請者が就労できる合計時間です。2、3か所で働いても合計週28時間以内でなければなりません。それ以上、働くと、不法就労になってしまいます・・・不法就労は、雇い主も処罰されますので、注意してください。

アルバイトであったとしても、雇用主の方が身を守るためにも雇用契約書を交わしておくのがよさそうです。

留学生を新卒で採用する場合

留学生は「留学」という在留資格を持っています。働くことになると、「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザに切り替えます。これを「在留資格の変更」といいます。19種類ある就労ビザのうち、どの在留資格になるのかは仕事内容によって決まります。多くは「技術・人文知識・国際業務」であろうと思います。しかし、申請しても許可がおりるかどうか、だれにもわかりません。でも、おりそうな人を採用しないと時間も手間も無駄になってしまいます。留学生→社会人になるビザの変更許可は、どこをチェックされるのでしょうか?

1.仕事内容

申請人がこれから行うであろう仕事内容、業務内容が、入管法で定められている在留資格に該当するものであるかどうかを問われます。

一般的に、求人広告などで「未経験可」「簡単、すぐなれます」と記載のあるような業務内容や、たとえ外国人でしかできないような業務であっても、それが申請者の仕事内容全体のごく一部にしかすぎないような場合、外国人の採用は難しいかもしれません。

アルバイトで働く留学生と日本人スタッフとの”通訳”がその申請人の業務の大半を占める場合、許可は難しいと思われます。なぜなら、留学生たちはすでに日本で暮らし日本語を話せるので、通訳の必要性がないと判断されるからです。カタログの”翻訳”業務であったとしても、1日8時間働く正社員を必要とするくらいの仕事量があるのか?という視点も大事です。業務内容については多角的に判断されます。国の考え方として、誰にでもできる単純作業につく場合、就労ビザは下ろさないと考えてください。

2.上陸許可基準

法務省令に定められている上陸許可基準に適合しているかどうかが問われます。要は、犯罪に手を染めたりかかわった過去があれば、難しいということです。

3.今現在、何をしているか?

上記1で問われたのは、これから行う活動内容についてです。ここでは、申請者の今の活動内容について尋ねています。注意したいのは、「留学」という在留資格のまま日本にとどまっているけれど、除籍や退学をすでにしている元留学生ですね。理由にもよりますが「在留資格変更許可申請」に関して消極的に影響を与える考えてください。

4.素行

生活態度が問われます。面談のときに、アルバイトや留学時代に打ち込んだものなどについて質問を投げかけてみるのもいいかもしれません。アルバイト三昧なら、「資格外活動許可」を得ていたとしても週8時間以内というルールを違反していたことになりますし、雑談からその申請者の留学生活ぶりが垣間見えることもあります。もちろん、刑事処分や退去強制事由に該当するような場合、素行は不良であると判断されてしまいます。

5.定した生活が見込まれること

申請人の生活が公共に負担になっていないこと、安定した生活が遅れそうであることが大切です。その意味からも、申請者は必ずしも正社員になる必要はありませんが、短期間で終わってしまうような有期雇用では就労ビザへの変更は難しいと思われます。そのことを雇用主である事業所側がしっかり理解しておく必要があります。

6.適正な雇用・労働条件

雇用・労働条件が、労委同関係法規に適合している必要があります。

7.納税義務の履行

留学生であれば、あまり関係ないかもしれませんが、納税義務の履行も厳しくチェックされます。

届出義務

留学生のみならず、中長期滞在する外国人には、入管法で定められている”届け出義務”というのがあります。「在留カードの記載事項にかかる届出」「在留カードの有効期間更新申請」「在留カードの返納」「所属機関等に関する届出」等の義務を履行しているかどうかです。

留学生が「資格外活動許可」を得て働けるのは、卒業するまでです。在留期限が残っている間、日本に滞在することはできますが、働くことはできません。無事に卒業できたとしても、働いてはいけない期間にアルバイトしてしまった場合、「留学」から就労可能な在留資格への変更で許可が下りなくなることもあります。そのような事態がおきると、新卒者を採用しようとする雇用主の皆さんにとって大きな損失となってしまいます。十分に注意しておかれますように。

転職組外国人を採用する場合

「転職したい」という日本在住の外国人の場合、すでに就労ビザをもっているものと思われます。面接においては上記の2の「留学生を新卒で採用する場合」と同様の点に注意されたらいいと思います。

在留資格に関しては、転職から在留期間満了日まで時間的余裕のあるときは、「就労資格証明書」の交付をおすすめします。現在の就労ビザは、転職前の会社で働くことを前提に許可されたものです。転職後の会社での仕事が「在留資格」に該当する活動であるとみなされないこともあり、単に会社が変わっただけであっても、在留資格の手続き上、単なる「在留資格の更新」(転職がないケース)とは異なり、審査に時間がかかってしまいます。

もちろん、転職後、申請者には「所属機関等に関する届出」が義務付けられている点も注意しておきましょう。

このように、外国人を採用する場合、いくつか注意しておかなければならない点があります。面接前に知っておくと、「しまった・・・」ことにもなりません!

ご心配な方、たにぐち事務所へご相談ください。外国人にあった面接の仕方、雇用契約を交わす上での注意点などをアドバイスさせていただきます。オンライン対応。全国対応。格安料金で対応させていただきます。

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