2024.10.18

卒業後も就職活動を行う留学生に必要な諸手続き

まずは、在留資格変更許可申請から


はじめに

就職の決まっていない留学生が、日本の大学や専門学校を卒業後も日本に滞在して就職活動を継続するためには、いくつかの手続きが必要です。以下に、詳しく説明します。

1. 在留資格の変更申請(「特定活動」ビザへの変更)

留学生が日本で就職活動を続けるために最も重要な手続きは、まず、在留資格を「留学」から「特定活動」へ変更することです。

出入国管理及び難民認定法では、在留資格に応じた活動を3か月以上行わないで在留している場合、在留資格の取消事由に該当します。そのため、卒業後も「留学」のまま就職活動をすると、在留資格取り消しになり、たとえ就職先が決まったとしても、在留資格変更の許可が下りない可能性があります。

卒業後も、日本で就職活動を行うなら、在留資格の変更をお忘れなく。

主な条件

①日本の大学・大学院、専門学校、高等専門学校を卒業・修了していること。
②卒業前から就職活動を行っていたこと。
卒業後に初めて就職活動を開始するのではなく、在学中から活動をしていたことが重要です。履歴書やエントリーシートの提出履歴、面接の記録などが証明として必要になる場合があります。

申請に必要な書類

①在留資格変更許可申請書: 入国管理局で配布されている用紙に記入します。
②パスポートと在留カード: 現在のパスポートおよび在留カードを提示します。
③最終学歴を証明する書類: 卒業証明書や成績証明書が必要です。
④就職活動の証明書類: これまでの就職活動の状況を示す書類(例:応募した企業への履歴書、面接の記録、エントリーシートのコピーなど)。
⑤卒業した学校からの推薦書(任意): 大学や専門学校からの推薦書があると、申請がスムーズに進むことがあります。
⑥滞在費用の証明: 滞在中の生活費をどうまかなうかを証明する書類(例:預金通帳の写し、親や保証人の支援書など)が求められます。

在留期間

「特定活動」の在留資格は、「6か月」が一般的です。更新手続きを行い、最長一年間の在留が可能になります。就職が決まった場合は、「特定活動」から就労ビザ(例:技術・人文知識・国際業務など)に変更申請を行う必要があります。

2. 住民登録の更新

卒業後も、引き続き日本に滞在する場合、住民登録が必要です。

居住地の届け出

住居地の届け出:留学時、来日の14日以内に、住所をおく自治体(役所)に”住居地の届け出”をしていると思います。その後、在留資格の変更や引っこしをした際も、この「住居地の届け出」を行う必要があります。

3. 国民健康保険等への加入

留学生の間は、通常、国民健康保険に加入していたと思われますが、卒業後も「国民健康保険」もしくは「健康保険」に加入しなければなりません。これは、疾病、負傷、出産、死亡に備える医療保険で、思わぬ病気やケガをしたときに病院で診てもらう際に必要となります。

民間企業で働く場合、多くは全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)や組合管掌健康保険(健康保険組合)等の健康保険に加入します。これは、働いている社員だけでなく、その家族も併せて入ることができます。
保険料は働いている人(被保険者)の給与額に応じて設定され、事業主と被保険者がそれぞれ保険料の二分の一ずつを負担する仕組みになっています。

健康保険の加入者以外はすべて国民健康保険に入らなければなりません。つまり、「自分が健康保険に加入する」「自分が家族の扶養として加入する」以外はすべて、国民健康保険に入らなくてはなりません。保険者は「市町村」又は「国民健康保険組合」のいずれかで、どちらに加入するかは、人によります。

飲食業や美容業など同種の事業や業務に携わる人たちで組織する「国民健康保険組合」や後期高齢者医療制度に加入する人は、市町村運営の国民健康保険は対象外となります。

4. アルバイト(在留資格「特定活動」中の就労)

「特定活動」で滞在中も、「資格外活動許可」が下りればアルバイトを行うことがができます。ただし、1週間につき28時間以内という制限付きです。

5. 企業インターンシップや職業紹介サービスの利用

留学生が就職活動を行う際には、企業インターンシップや職業紹介サービスを積極的に利用することが有効です。

ハローワーク

ハローワークでは、留学生向けの職業紹介サービスを提供していることがあります。専門のカウンセラーに相談し、日本での就職に関するアドバイスを受けることができます。

大学や専門学校のキャリアセンター

卒業後も、大学や専門学校のキャリアセンターを利用して就職活動をサポートしてもらえます。企業の情報提供や、OB・OGの紹介などのサポートが受けられることがあります。

インターンシッププログラム

企業のインターンシップに参加することで、実際の仕事を体験しつつ、企業側にアピールできるチャンスを得ることができます。特に日本での労働経験が少ない留学生にとっては、貴重な経験です。

まとめ

日本での滞在を続けて就職活動を行うためには、まず在留資格を「特定活動」に変更する手続きが必要です。それと同時に、住民登録や国民健康保険の更新、アルバイトの資格外活動許可の取得なども行う必要があります。さらに、ハローワークや大学のキャリアセンターを活用し、企業とのインターンシップや紹介を通じて就職先を見つける活動を続けることが大切です。

適切な手続きを踏むことで、卒業後も日本での就職活動を安心して行うことが可能になります。

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