成功する外国人雇用は、面接前の準備から
目次
まずは、職場における外国人雇用の可否を職種で判断
日本人であれば、本人の希望で仕事を選び会社を選び働くことができます。しかし、外国人は違います。「働いていいですよ」という許可(在留資格)を持っている人しか働けません(身分系の在留資格取には活動内容に制限がありません)。それを得ずして働くと不法就労になり、雇った会社は不法就労助長罪という、なんとも恐ろしい罪をおかしてしまうことになります。「知らなかった」としても、その言い訳が通らないのです。
つまり、外国人は、“許可されている”或は“許可されそうな”範囲内でしか仕事を選べません。在留資格によっては、学歴要件があるため大学を卒業した人でなければ取得が難しいものもあれば、経験が3年或は10年必要とされるものもあります。
また風営法第2条に規定されているようなパチンコ店やゲームセンター、キャバレースナックなどのお店では、たとえ清掃の仕事であっても就くことはできません。特定14分野以外は、単純作業も許可されていません。
このように、いろいろな決まりがあります。「うちの会社で外国人をやとっても大丈夫かな。心配だな~」と思われたら、職種から在留資格をさぐってください。幼稚園で子供たちに英語を教える語学教師の職であれば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得できることがわかります。(※当ホームページでも簡単に紹介しています)。(もちろん、在留資格はこのような単純な審査だけで許可がおりるものではありません。)もっと詳しく知りたいと思われる企業様は、行政書士などの専門家にご相談を。
秘訣1. 雇用の目的を明確にしておく
外国人を面接するときは、下準備が大事です。「なぜうちの会社で外国人を雇おうとしているのか」企業が外国人雇用の目的をはっきりとしておくことです。そこから、どの部署で、どのようなポジションで、どのような業務についてもらうのか?今回の採用人数は何人で、将来的にはどのように増やしていく予定なのか?企業の描く未来ビジョンに外国人も意欲をもって取り組む事ができそうなのか?雇用の目的を明確にして、それを社員全員で共有すること、ここから外国人を迎える企業の好気的な雰囲気が生まれ、語学力に関係なく心地よい就労環境が生まれてきます。
外国人とは直接関係のない部署のスタッフであっても、会社の未来にとって外国人は必要であることを理解しておくと、何気ない声かけにつながり、ひいては居心地のよい就労環境が生まれます。それは、外国人の定着率にダイレクトに反映されます。
・外国人を雇う必要性は?
・外国人の所属部署と具体的な業務内容は?
・正社員として外国人を雇用するだけの仕事量(1日8時間×就労日数)があるのか?
・仕事に必要な日本語レベルは?
・会社が求める日本語レベルと外国人候補生がもつ日本語レベルの差を会社としてどう穴埋めしてくのか?サポート体制は?
・企業の未来予想図における外国人のポジション、役割をどう描いているか?
これらをはっきりと描くことで、求める外国人社員像がより明確になります。面接においても、的を得た質問を投げかけることができるようになります。
秘訣2. 学歴や経験年数を具体的に確認
在留資格によっては、学歴要件や経験年数を必要とするものもあります。それを事前に把握しておくことで、学歴や経験年数に関してより具体的な質問をすることができます。
例えば、英会話の講師の職に応募してきた外国人が「日本語学校」の卒業を目前に控えた留学生の場合、母国で大学を卒業していたのであれば、採用しても問題ありません。しかし、大学を出ていなければ、10年以上の経験が求められます。質問すべき内容が随分と違ってくることがおわかりいただけたでしょうか。
もし、外国人を雇いたいと思われましたら、少なくとも面接前に行政書士のような専門家に相談されることをお勧めいたします。在留資格の許可がおりる可能性がほとんどない方に面接するのは、両者にとって時間の無駄になってしまいます。
秘訣3.在留カードと就労資格証明書で確認
たとえアルバイトであっても、在留カードを確認するのは基本です。在留カードとは、外国人が常時携帯することを義務付けられているものです。住所地のほか在留期間、在留資格、在留カードの有効期限、資格外活許可の有無等が記載されています。
資格外活動許可を得ていれば週に28時間を限度にアルバイトをしてもよいことになっています。その限度を超えて働いたとしても、本人が申告しないかぎりその時点で第三者に長時間就労は把握しづらいのですが、時間がたてば源泉徴収票等の書類によって不法就労がバレてしまうことがあります。限度時間以上にアルバイトしていたことが後々の在留資格にどう影響するのか、明らかにはなっていませんが、決して入管にいい印象をあたえるものではありません。
留学生時代のアルバイトの有無や、どのような仕事をしたのか、どの程度働いたのか、そのアルバイトを選んだ理由、アルバイトで得たものとは?・・・アルバイトを話題にすると、その人の留学生時代の生活も垣間見えてきます。
転職希望の外国人を面接する場合、就労資格証明書の取得を依頼しておかれるといいと思います。その外国人が取得している在留資格で行える活動内容が記されているので、次のビザ更新の際も安心できます。仕事に慣れてきたころにビザの更新ができずに退社することになると、企業にとっては大きな損失となってしまいますから。
秘訣4.日本語スキルの把握
コミュニケーションがどれくらいとれるのか? 外国人候補生の日本語レベルは、日本人スタッフにとっても大きな問題です。しかし、初めから高レベルな日本語を求めてしまうと、採用できる外国人は限りなくゼロに近づいてしまいます。ここは頭を切り替えて、外国人候補生の日本語レベルが低くても、カバーできる環境を整えるのも企業努力の一つです。そのうえで、「日本語が話せなくても大丈夫なように会社はサポートするが、あなたは日本語をどのレベルまで上達させるつもりか?目標を決めているのであれば教えてほしい。勉強方法は?勉強時間はどうやってとっていくのか?」など質問することで、仕事に対する熱意や、物事に対する姿勢も見えてきます。
秘訣5.なぜ、日本で働きたいのか?
外国人が日本で働くには、理由があります。
「日本でたくさん働いて1円でも多くのお金を貯めて帰りたい」そんなジャパニーズドリームを描いて日本に働きに来ている人の中には、限度を超えてたくさん働きたがる人もいます。36協定を遵守しようとする企業とは方向性が違ってくるため、採用してもお互いのためになりません。事前に、日本の決まりや会社の姿勢をしめしておくことで、ミスマッチを防ぐことができます。
また日本の企業で技術や知識を身に着けたら、母国での企業や再就職に有利になると考えている学生もいます。
こんなハズではなかった・・・とならないために、企業と学生の将来設計にズレがないかを確認するためにも、この質問をなげかけてください。
行政書士などの専門家へのご相談は、面接前からがおすすめです。
秘訣6.帰国予定
在留資格によっては、5年を限度に帰国しなければならないものもあれば、更新を続けることで半永久的に日本に滞在できるものもあります。しかし、外国人の場合、いつかは母国へ帰ってしまう可能性があることを頭にいれておくべきです。誰しも先のことはわkりませんが、帰国についてはどう考えているのか?尋ねておきましょう。
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