2020.06.12

外国人に必要な、身元保証人

ビザ申請における身元保証人とは?

 

ビザ申請&入社に必要な、身元保証人

外国人が日本で働こうとする場合、「身元保証人」が必要になることが2回あります。一つは、在留資格の申請・更新・変更などの手続において。もう一つは、入社に際して求められる「身元保証人」です。

在留資格の申請において必ず身元保証人が求められるとも限りませんが、「永住」の手続においては必須です。それ以外の就労系の在留資格でも身元保証人が必要になることがあります。 まずは在留資格の申請・変更・更新の際に必要な身元保証人について説明します。

 

ビザ申請における身元保証人、その責任範囲

注意したいのは、在留資格の手続で求められる身元保証人は、民法における「保証人」とは異なるという点です。身元保証人は、「連帯保証人」のように、外国人本人が返せなくなったお金を、代わりに返済するような義務が生じるというものではありません。金銭的負担を肩代わりするなどの責任は及ばないということです。あくまでも道義的責任を負うことになります。「その外国人が日本の生活において困ったことがあれば私がサポートします」ということを、法務大臣に約束します。身元保証人がサポートする内容は主に次の3つが挙げられます。

滞在費のサポート

外国人が生活に困窮するようなことがあれば援助するなどし、日本での暮らしが落ち着いたものになるよう支援します。ホテル代、住宅の家賃、光熱費、生活費、学費などなど・・・

帰国旅費のサポート

“お金がないから帰国できない”というのは、日本政府としてはとても困る事態です。不法滞在者を増やさないためにもそれを避けるべく身元保証人には手を打ってほしい、というのが政府からのお願いです。

日本国法令の遵守

 

ビザ申請における身元保証人、人的条件

安定した収入

身元保証人は、外国人の生活や帰国の旅費が工面できなかった場合に面倒をみる約束を法務大臣にするわけですから、条件として、一定以上の収入や資産がある人ということになります。単なる名義貸し的な身元保証人は認められません。

日本人もしくは永住者

また、責務を果たさないうちに国へ帰ってしまう可能性のある外国人を身元保証人にするのは、政府として不安が残ります。そこで、身元保証人になれるのは、日本人もしくは永住権をもった外国人ということになります。

外国人を雇用する際のビザ申請手続きでは、その会社の責任者や所属先の担当者などが身元保証人になるのが一般的です。外資系企業などでは特に、身元保証人の候補者が外国籍である場合、「永住権をもっている」ことを確認してください。

ビザ申請における身元保証人、書類について

在留資格申請の際、次のような身元保証書に必要事項を記入し提出します。ほかにも、その人の経済的な安定度を図るために、「源泉徴収票」「在職証明書」「住民票」などが求められます。

法務省のHPより「身元保証書」

ビザ申請における身元保証人、その注意点

以下は、出入国在留管理庁のHPより引用文です。

入管法における身元保証人とは,外国人が我が国において安定的に,かつ,継続的に所期の入国目的を達成できるように,必要に応じて当該外国人の経済的保証及び法令の遵守等の生活指導を行う旨を法務大臣に約束する人をいいます。 身元保証書の性格について,法務大臣に約束する保証事項について身元保証人に対する法的な強制力はなく,保証事項を履行しない場合でも当局からの約束の履行を指導するにとどまりますが,その場合,身元保証人として十分な責任が果たされないとして,それ以降の入国・在留申請において身元保証人としての適格性を欠くとされるなど社会的信用を失うことから,いわば道義的責任を課すものであるといえます。

経済的に困窮する外国人をサポートするのが身元保証人ですが、その身元保証人が滞在費や飛行機のチケット代を払わなかったとしても指導どまりで、おとがめはありません。しかしそのような事態となった場合、責務を果たさなかった人は「身元保証人として失格」の烙印を押されてしまいます。今後、別の外国人の身元保証人になりたいと思っても、それはできなくなってしまいます。

無責任に身元保証人を引き受けるのは、後々自分のためになりません。身元保証人の責務等をよく理解してから引き受けるようにしましょう。

入社に必要な、身元保証人

社員を採用する場合、身元保証人を求める会社もあります。雇入れた従業員が会社に損害を与えた場合、身元保証人が連帯でその賠償責任を負うというものです。

外国人を採用するにあたっては、日本人社員と同じ規定を用いることになっていますので、日本人が入社時に身元保証人を必要とする規定の会社であれば、外国人従業員も同じ扱いでかまいません。ただし、外国人従業員の在日日数が短い場合等は身元保証人を立てることが難しい場合が多いです。

海外在住の両親や知人を保証人にしても問題ありませんが、それは、カタチだけになってしまいます。海外にいる保証人には連絡が取りづらく、どのような生活を送っている人なのかもわかりません。身元保証の効力が、他国にいる人のどこまで及ぶかも疑問です。ただ、書類を揃えて出すことによって「日本で働く」ことに対する外国人社員自身の気持ちを整えることに意味を持たせるることはできるので、「外国人社員にも身元保証人を求めるべきか」、採用前から会社の方針を検討しておくべきでしょう。

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