「特定活動」で、技能実習生も異業種への転職が可能
コロナで解雇等の技能実習生、特定技能のみ対象
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で解雇された特定技能外国人、実習が困難になった技能実習生を対象に、特例として一定の条件のもと「特定活動」の在留資格が許可されることとなりました。
この特例措置により、コロナで解雇等された技能実習生や特定技能外国人らが在留活動「特定活動」を得て、転職し、最大1年間日本で就労できるようになりました。
※以下は、出入国在留管理庁のHPより引用したものです。
【対象者】
新型コロナウイルス感染症の影響により解雇等され,実習が継続困難
となった技能実習生,特定技能外国人等
※詳細については,最寄りの地方出入国在留管理局へお問合せ願います。
【付与される在留資格・期間】
特定活動(就労可)・最大1年
【行うことができる活動】
受入れ機関において特定技能外国人の業務に必要な技能を身に付ける
2
活動
具体的には以下のような活動が指定されることとなります。
出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令(平成2年法務
省令第16号)の法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄第1号ハに規定する技
能(試験により証明されるものに限る。)を修得するため,下記の本邦の公私の機関
との契約に基づいて当該機関の業務に従事する活動
記
機関名 ○○○株式会社
(本店所在地 ○○県○○市○○町○○番○○号)
【要件】
ア 申請人が本特例措置により従事しようとする業務に係る報酬の額が,日本人
が従事する場合の報酬の額と同等以上であること
イ 申請人が,受入れ機関において特定技能外国人の業務に必要な技能を身に付
けることを希望していること(希望する特定産業分野に係る技能試験等の合格
が必要な者に限る。)
なお,製造業3分野(素形材産業分野,産業機械製造業分野,電気・電子情
報関連産業分野)については,国内において,申請人が製造業各分野で対象と
なっている業務区分(職種)で勤務・実習中に解雇されたものに限られる。
ウ 受入れ機関が,申請人が特定技能外国人の業務に必要な技能を身に付ける希
望があることを理解した上で,申請人の雇用を希望するものであること
エ 受入れ機関が,申請人を適正に受け入れることが見込まれること(在留外国
人(就労資格に限られず,資格外活動許可を受けた者も含む。)を雇用した実
績,出入国・労働関係法令の遵守等)
オ 受入れ機関が,申請人に対して特定技能に移行するために必要な技能等を身
に付けることなどについて指導,助言等を行うことのほか,在留中の日常生活
等に係る支援(関係行政機関の相談先を案内及び必要に応じて当該機関に同行
することを含む。)を行う担当者を確保して適切に行うことが見込まれること
(注)支援については,例えば,受入れ機関が雇用する申請人が従前に所属して
3
いた監理団体や,特定技能へ移行する際に支援を委託する予定の登録支援機関
において実施することも差し支えない。
カ 受入れ機関が,申請人を受け入れることが困難となった場合には地方出入国
在留管理局に速やかに報告することとしているこ
「技能実習」から「特定活動」への移行条件
これまで、技能実習生に“転職”は認められていませんでした。しかし今回の特例措置で、新型コロナウイルスの影響で解雇され、技能実習が継続できなくなった場合、在留資格「特定活動」を得た上で、別の業種・職種であっても転職することが可能になりました。
転職するには、技能実習生が「新たな受け入れ先を見つけておく」必要があり、さらに「管理団体による申告がなされる」という許可要件を満たしておかなくてはなりません。つまり新しい就職先ともともと働いていた先の管理団体の協力を得ておく必要があります。解雇されても両者の協力を得られなければ、技能実習生は日本での生きる道を失ってしまう可能性があります。
技能実習生、「特定活動」移行後のリスク
「特定活動」に移行した元技能実習生は、就労中、特定技能の試験を受けるために学び、日本語試験にも合格しなければなりません。
技能実習生は通常、「技能実習1号」の在留資格で1年間、「技能実習2号」「技能実習3号」でそれぞれ2年間ずつ計5年間の就労ができる制度の中にいました。もし、特定技能や日本語の試験に不合格になれば、特定活動の在留期限が切れた後、彼らは帰国しなければならない事態となります。つまり、就労を継続できないリスクを技能実習生たちは抱えていることになります。
「特定活動での就労期間は1年」とする特例措置の運用は今後、変わるかもしれません。いずれにしろ、注意して情報収集していく必要がありそうです。
コロナ不況は、優秀な外国人労働者採用のチャンス!?
コロナ終息後の人手不足を予想して、体力のある企業の中には“この時期”に外国人労働者を積極的に採用したいという姿勢を見せる企業もあります。
日本語が話せ日本の暮らしにある程度慣れている技能実習生や特定技能外国人等を採用することは、在外にいる外国人を採用して一から育てるのに比べ企業負担が軽くてすむという側面があるからです。企業側の一方的の理由で解雇や雇止めにあった「外国人労働者を採用するのは、ある意味、今がチャンス」ととらえる企業があるのもうなずけます。
但しこの特例措置は、「コロナ禍で失業して困っている外国人」のために設けられたものです。外国人を雇いたい事業所目線でつくられたものではありません。報酬や業務内容、支援体制等においては、特定技能外国人を雇うのと同程度の要件が求められています。また、一度も外国人を雇った実績(※1)のない事業所においてはこの特例措置を利用しての外国人雇用は難しいともいえるでしょう(※1資格外活動許可を得てアルバイトとして外国人を雇った実績でも可)。
当事務所には、職を失った外国人たちからの問い合わせがあります。“外国人労働者を雇いたい”と考える企業様がありましたら、当事務所にお声がけください。当事務所が皆様のお役にたてるかもしれません!
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