2023.06.27

「特定技能」雇用の注意点、報酬額

特定技能外国人、報酬額のルール


日本人労働者と同等以上の給料

外国人を雇う場合、雇用条件においては、日本の労働基準法その他の労働に関する法令の規定に適合していなくてはなりません。さらに「特定技能」の場合、次のような上乗せ要件が課せられています。

・外国人に対する報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること。
・外国人であることを理由として、報酬額の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的な取扱いをしていないこと。(特定技能基準省令第1条)

外国人だからという理由で、特定技能外国人の報酬の額が不当に低くなることを避けるために、このような決まりが設けられています。事業所に同程度の技能や経験を有する日本人労働者がいる場合、その日本人と同程度以上の報酬額であることを説明したうえで支給します。もちろん、特定技能外国人の報酬額を決定するにあたり、日本人労働者の賃金を安く設定することがあってはなりません。

同程度の技能等を有する日本人労働者がいない場合、その事業所の賃金規定に照らして報酬額を決めます。賃金規定がない場合、申請する外国人自身がこれから任される業務内容における経験年数と同等の日本人労働者が、その地域周辺で得ている賃金額等から推算して特定技能外国人の報酬額を決めます。報酬とは、「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」のことで、通勤手当、扶養手当、家族手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するものは含みません。

特定技能外国人が元技能実習生の場合、給与の決め方は?

特定技能外国人が技能実習修了者であれば約3年間、技能実習3号修了者であれば約5年間、日本において技能実習を修了しています。申請人が、今後、技能実習したのと同分野同業務に就くのであれば、3年又は5年程度の経験があるものとしてみなされます。

そのため、元技能実習生である1号特定技能外国人の報酬額は、3年程度又は5年程度の経験を積んだ日本人の技能者に支払っている賃金と照らし合わせて決めていく必要があります。もちろん、技能実習生を受入れている事業所であれば、技能実習2号修了時の報酬額を上回った額にする必要があります。

特定技能外国人を雇用するには、知っておかなければならないルールや決まりがたくさんあります。行政書士 たにぐち事務所では、外国人雇用に関する相談(有料)や申請の代行などを窓口一つで行っています。お電話お待ちいたしております。

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