内容基準が厳しい、特定技能雇用契約
「契約書」で成り立つ、外国人の雇用
外国人を雇用する場合、「雇用契約」を結ぶのが基本です。日付を入れた「雇用契約書」に署名してもらいます。日本語のほか、外国人がよく理解できる言語の訳文もつけておくのがベストです。内容としては、以下の内容を網羅したものとします。
- 雇用期間
- 就労場所
- 仕事の内容
- 勤務時間帯
- 休日
- 所定外労働
- 休暇
- 賃金
- 保険
- 準拠法
「在留資格認定証明書交付申請」や「在留資格変更許可申請」をする際、これらサイン入りの雇用契約書を出入国在留管理局に提出します。日本人と異なる点は、申請する在留資格の許可が下りなければ、受入機関とその外国人労働者の「雇用契約」が有効とならないことに双方合意しておかなければならない点です。雇用契約書にもそのような主旨の文面を入れておく必要があります。
特定技能外国人との雇用、ほかの在留資格との違いは?
特定技能外国人となる候補者と雇用契約を結ぶ際は、「雇用契約書」のほかに「雇用条件書」も提出しなくてはなりません。内容としては、報酬をはじめとする雇用関係に関する事項のほか、特定技能雇用契約の期間が満了した場合、特定技能外国人の出国を確実なものとするための措置をとるよう所属機関に義務付けられています。ただ「特定技能1号」での在留期間が5年間と限定されているた現時点での話であって、将来的には少し措置内容がかわるかもしれません(2023.06.23)。
本契約終了後に乙が帰国するに当たり、乙が帰国旅費を負担することができないときは、甲が当該旅費を負担するとともに、帰国が円滑になされるよう必要な措置を講ずることとする。
特定技能外国人雇用の際は、かなり詳細な内容を契約時点で外国人に提示する必要があります。例えば「賃金」に関しては、以下ような内容です。
- 基本給
- 諸手当
- 所定時間外、休日又は深夜労働に対して支払われる割増賃金率 ①所定時間外②休日③深夜
- 賃金締切日
- 賃金支払い日
- 賃金支払い方法
- 労使協定に基づく賃金支払い時の控除
- 昇給
- 賞与
- 退職金
- 休業手当
雇用条件の開示で、トラブル回避
「特定技能」を申請するのは、ほかの在留資格に比べ書類の数が多いため申請準備に多くの時間とエネルギーを要します。しかし、就労しようとする外国人は働く前から詳細に賃金の手取り額などを正確に知ることができる仕組みになっています。提示された「基本給」がそのまま手に入ると思って日本に来たらショックを受けるでしょう。給料から社会保険料や税金等のお金が天引きされ支払われることは、日本人であれば当たり前のこととして受け止められます。しかし、外国人はそうではありません。日本の社会の仕組みを理解しておけば、無知から生まれる所属機関への不信やトラブルも減らすことができます。長く働いてもらえる可能性が拡がります。申請には何かと手間のかかる「特定技能」ですが、書類の多さにはこのような背景もあるのだと思います。
在留資格の申請には専門家の知識と情報が必要です。行政書士 たにぐち事務所では、「特定技能」に関する相談(有料)を受け付けています。在留資格の申請フルサポートのほか、書類のチェックのみも受け付けております。(全国対応)。ご連絡お待ちしています。
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