特定技能ビザと外食産業
目次
特定技能で、パティシエ、コック、ホールスタッフ、パン職人に。
外食業における有効求人倍率は、全産業平均に比べると極めて高く、外食業を含む「宿泊業・飲食サービス業」の欠員率は5.4%で、全産業平均2.4%の2倍以上と高水準でした(厚生労働省H29年度データを元に農林水産省が算出した数字)。人手不足がこれほど深刻化している状況にもかかわらず、2019年4月まで、外国人が日本で外食業の仕事に就くことはほとんど不可能でした。制度上、外食産業で外国人が就労できる在留資格が用意されていなかったからです。留学生以外の外国人が働くことは困難でした(留学生等一部の外国人は「資格外活動許可」を取得することで一定時間内であれば働くことができます。)。
調理の専門学校を卒業しパティシエになっても、日本では就職できずに帰国するしか道はありませんでした。しかし、「特定技能」という在留資格ができたことで、経験のない留学生であっても、居酒屋やケーキ屋さん、すし店など外食業での就職が可能になりました。
事業者要件
特定産業分野該当性
特定技能外国人を雇用できる事業所として、次のような例があります。
- 食堂・レストラン・料理店
- 喫茶店
- ファーストフード店
- テイクアウト店:店内で調理したものを提供
- 宅配専門店:店内で調理したものを提供
- 仕出し料理店
特定技能1号外国人を雇用する場合、事業所が日本標準産業分類「76飲食店」「77持ち帰り・配達飲食サービス」に該当していることが条件です。該当しているか否かをしっかり見極めなければ、本当は特定技能1号を雇えない事業所であるのに雇ってしまうミスを犯してしまう危険性があります。これは不法就労助長罪に問われる可能性もあるので、十分に注意が必要です。
例えば、“持ち帰りすし店”であっても、客からのリクエストに応えてその場で調理して売るのか、他から仕入れたものや作り置きしたものを売るのかで、特定技能外国人を雇用できるか否かの判断が違ってきます。また、ホテルの中にあるレストランであれば、“外食業”の技能試験に合格した特定技能1号の外国人を採用できるのか?この場合は、オーナーは誰なのか?で決めることになります。ホテルとレストランのオーナーが同一であれば不可になり(「宿泊」の技能水準に合格した特定技能外国人を採用しなければなりません)、ホテルとレストランの事業主が別であれば可となります。このほかにも幾種類かの資料を元に判断しなければならないことも多く、「76飲食店」「77持ち帰り・配達飲食サービス」に該当するかどうかの判断は、事業所ごとによって違ってきます。単純に答えが出ないことのほうが多いです。
このように、「うちの店で特定技能1号を雇えるのかどうか?」の判断に迷われたら、行政書士等の専門家へ相談されることをおすすめします。
業務区分該当性
特定技能外国人が就く仕事内容についてです。主たる業務は「飲食物調理・接客・担保管理」です。これらの仕事を幅広く行ったうえで、日本人スタッフが通常行う仕入れや配達などの関連業務を同様に行うのは良しとされています。ただ、清掃や皿会いだけ、配達だけ等に就かせるのは認められていません。本業が外食の仕事ではない、複合施設の飲食スペースでの就労も認められない可能性があります。
禁止事項
- 1号特定技能外国人に対して、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風俗営業法」という)第2条第4項に規定する「飲食接待等営業」を営む営業所において就労を行わせないこと。
- 1号特定技能外国人に対して、風俗営業法第2条第3項に規定する「接待」を行わせないこと。
すごく難しく書かれていますが、キャバレー、料亭、クラブなど、お客さんの横に座るなどして接客するお店がダメだとお考えください。
受入機関適合性
協議会の構成員であること
農林水産省が設置する「食品産業特定技能協議会」の構成員になることが求められています。
一人目の特定技能外国人を受入れるときから加入義務が発生します。4カ月たっても未加入のままであれば、特定技能外国人の受入れができなくなってしまいます。
雇用形態
直接雇用のみです。派遣は認められません。
特定技能外国人が有すべき技能水準
技能実習制度のある特定分野では、技能実習2号を修了した人が無試験で特定技能ビザに移行するケースが多く見られます。しかし外食業には技能実習制度がないため、そのような移行してくる外国人は基本的にいません。(但し、例外あり。医療・福祉施設給食製造作業に係る第2号技能実習修了者)
そのため技能と日本語の試験に合格した人のなかから採用することになります。試験は外国でも行われていますので、採用を規模する場合はそれらのスケジュールを把握して採用計画をたて戦略的に動く必要があります。
国内の飲食店でアルバイト経験を積んだ留学生や、調理・製菓系の専門学校の卒業生、海外のレストランの従業員などが対象になると見られています。
技能水準
「外食業技能測定試験」に合格すること。
「衛星管理」「飲食物調理」「接客全般」についての知識や判断能力、計画立案能力などを測定する筆記テストです。日本語のほか英語、中国語、ベトナム語、ネパール語の翻訳版もあります。試験は海外でもうけることができます。
日本語能力水準
日本語能力試験(N4以上)又は国際交流基金日本語基礎テストに合格すること。
特例
医療・福祉施設給食製造作業に係る第2号技能実習修了者は、技能試験・日本語能力試験ともに免除されます。
相談窓口
今まで外国人を社員として雇用する歴史のなかった飲食業は、“初めての外国人雇用”に各事業所とも戸惑っているようです。このような状況を受けて農林省が動き、2020年6月に新しく相談窓口が設けられました。飲食料品製造業及び外食業限定で外国人雇用に関するさまざまな相談を受付けてくれます。
- ビザ「経営・管理」許可に必要な、申請前の準備
- ビザ親の帯同が可能な、唯一の在留資格「高度専門職」
- ビザ卒業後も就職活動を行う留学生に必要な諸手続き
- 特定技能特定技能フィリピン人は転職が困難!?
- ビザ専門卒留学生、就労ビザ取得要件緩和
- 特定技能フィリピン人を、特定技能で呼び寄せる手続きについて
- ビザ高度専門職で家事使用人を雇用できる3つの方法
- 技能実習技能実習 外部監査人の職務について
- 技能実習技能実習、新制度へ改革進む
- 特定技能在留資格「特定技能2号」が11分野に拡大。
- ビザ熊本での就労ビザ・在留資格申請を代行
- 特定技能「特定技能」雇用の注意点、報酬額
- 特定技能「特定技能」の注意点、雇用契約
- 特定技能製造業で特定技能外国人を雇うために最初にすべきこと
- 特定技能少ない書類で特定技能外国人を雇用するには・・・
- ビザ介護職における外国人雇用の補助金
- 未分類特定技能で、インドネシア人を雇用
- 特定技能特定技能外国人、採用の流れ②
- 特定技能特定技能外国人、採用の流れ①
- 特定技能特定技能の所属機関がやるべき、定期届出&随時届出
- ビザ外国人が病院で治療する、医療ツーリズム
- ビザ治療目的の来日に、医療滞在ビザ
- ビザ初めてフィリピン人を雇用する会社に必要なMWO(旧POLO)申請
- 特定技能特定技能外国人を雇用する場合の注意点
- ビザフィリピン人社員2人目のMWO(旧POLO)申請、注意点は?
- 会社設立外国人の古物商許可申請について
- 特定技能奈良の特定技能雇用&登録支援機関
- ビザ奈良の外国人雇用&就労ビザ申請
- 特定技能特定技能 建設分野における給料の注意点
- ビザPOLO申請、POLO大阪は申請書類増
- 特定技能特定技能でベトナム人を雇用する際に必要な、推薦者表
- 特定技能特定技能、対象分野12分野へ改正
- 特定技能「特定技能」へ、在留資格変更時の注意点
- 特定技能特定技能で、バングラディシュ人を雇用
- 特定技能特定技能外国人を採用する事業所が、まず確認すべきこと
- ビザ9月に大学卒業した留学生のビザ手続きは?
- ビザ在留資格変更許可とMWO(旧POLO)の申請
- ビザ在留資格認定証明書、期限切れ。無効を有効にする方法
- 特定技能特定技能の転職、事業所と外国人の手続き
- 特定技能特定技能 自動車整備士の登録支援機関選び、そのポイント
- 特定技能自動車整備士、特定技能での採用数に上限は?
- 会社設立「経営・管理」ビザ取得希望の外国人起業家向け在留資格「特定活動」
- 会社設立経営・管理ビザ 要件チェツク
- ビザ在留資格認定証明書交付後、MWO(旧POLO)申請
- ビザMWO(旧POLO)申請&就労ビザ フィリピン人を雇用の為呼び寄せる手続き
- ビザPOLO申請 フィリピン送り出し機関選びからスタート
- ビザPOLO申請 行政書士によるワンストップサービス
- 会社設立持続化補助金100万円
- ビザ外国人の転職と就労資格証明書
- ビザ帰化許可申請
- ビザ外国人は派遣社員になれる?
- ビザフィリピン人の雇用手続き、その流れと注意点
- 特定技能登録支援機関
- 技能実習外部役員&外部監査人
- 技能実習技能実習 監理団体の許可
- 技能実習技能実習について
- ビザ外国人採用の注意点とは?
- ビザアプリで在留カードをチェック
- ビザ自動車整備で、外国人雇用
- ビザコロナで帰国困難者に、アルバイトの道開く
- ビザ外国人採用の条件
- 特定技能建設業、一人親方で特定技能は雇えるか?
- 特定技能特定技能で、ネパール人を雇用
- 特定技能特定技能で、フィリピン人を雇用
- 特定技能特定技能における二国間協定とは
- 特定技能製造業における、外国人雇用
- 特定技能飲食料品製造業で、外国人雇用
- 特定技能ビルクリーニングに、外国人雇用
- 特定技能特定技能で、ベトナム人を雇用
- 会社設立コロナ「持続化給付金」申請代行
- ビザ外国人の面接を成功させる6つの秘訣
- ビザ語学講師に、外国人を雇用
- 会社設立会社設立に必要な、社長の実印登録
- 特定技能外食業で、外国人雇用
- ビザ介護で、外国人雇用
- ビザ外国人に必要な、身元保証人
- 特定技能外国人雇用に必要な、建設特定技能受入計画とは?
- 特定技能特定技能 受入機関がすべき雇用後の届出
- 特定技能特定技能 企業が受入機関になるための要件
- ビザコロナ特例措置、外国人対象に転職支援の動き
- 暮らし企業担当者必見!外国人雇用を成功させる取組み<3>
- 暮らし企業担当者必見!外国人雇用を成功させる取組み<2>
- 暮らし企業担当者必見!外国人雇用を成功させる取組み<1>
- ビザコロナ対策、農業労働力確保緊急支援事業スタート
- ビザ農業で、外国人を雇用
- 暮らしコロナ給付金は、外国人にも支給されます。
- ビザ「外国人雇用状況の届出」、忘れていませんか?
- 教材日本語能力が不足する外国人に、どうやって仕事を教えるか?
- ビザコロナ不況で、失業の危機にある特定技能・技能実習生等らに特例措置
- 特定技能特定技能 6つの募集・採用ルート
- 特定技能1号特定技能外国人支援計画とは?
- ビザコロナで外国人を解雇!?在留資格変更手続きのための注意点
- ビザ卒業後の就職活動は、「特定活動」にビザ変更を。コロナ特例措置あり
- ビザ「転職」する外国人を新規採用する場合の、注意点
- ビザ就労ビザを持っている外国人が退職した場合、手続きは?
- 教材助成金で、外国人の雇用定着を図る
- ビザ外国人の雇用は抵抗がある!という企業様へ
- 特定技能建設で特定技能、採用方法は3通りあります!
- 特定技能宿泊業、「技能実習2号生」登場!
- ビザ通訳・翻訳者の、就労ビザ申請について